名阪造園では自然樹形にこだわり、それぞれの樹木に適した管理を行うため、現場のお庭を見させていただく事から始まります。
お庭は定期的なメンテナンスを行うことで一層美しく健康的に維持でき、樹形を整えたり、枝葉の調整を行うことで、樹木の生育や結実を促します。適切な剪定を行うとことで、年々樹形が素直に育っていき、樹種によっては剪定を行う回数が少なくなるため、むしろコストダウンにつながります。
私たちは安さを売りにはせず、本当の職人の仕事を貫くことを誇りとしています。

剪定へのこだわり

私たちは樹木の剪定を、お庭をお手入れの中で特に専門性が高く重要な要素として考えています。剪定の技術は、限られた庭園の中でその大自然を模倣した世界観を維持するために、先人たちが長い年月をかけて作り上げた専門技術の一つです。果樹や花木が良い実、良い花をつけるための剪定方法があるように、造園においての剪定方法があります。
樹木にとって最良の剪定とは、庭園(緑地)内で樹々が健康でバランスよく美しく見えるよう自然界にある樹形を維持する技術だと私たちは考えます。そのためには知識だけでなく樹木それぞれの個性を見極める経験と感性が必要となります。名阪造園では新入社員の頃から剪定を含めたお庭のお手入れのあり方を学び、自然は生き物であること、またそれを維持・管理していくことの大切さと重要性を叩き込まれます。
そのため、病気でもない樹木を意味なく「ブツ切り(強剪定)」をすることは決していたしません。

剪定の基礎知識

・剪定の必要性

樹木を庭のデザインや目的・機能に合った姿、かたちに整えることを「整姿」といいます。そして整姿するために枝葉や幹の一部を切り除く作業を「剪定」といいます。樹木は生長し続けるため放置しておくと形が乱れうっそうとした樹木に覆われた庭になるばかりでなく、日照や風通しが悪くなり病害虫に侵されやすくなったりします。そこで樹木の美しい形に整えたりバランスのよい生長を促すためにも「整姿」「剪定」が重要な役割を果たします。

・剪定の時期

樹種によって異なりますが、一般的にも針葉樹は古い葉が枯れる10月〜11月か春先、常緑広葉樹は新芽が出る3〜4月頃と土用芽の生長が止まる9〜10月、落葉樹は葉が落ちている11月〜3月頃が適期といわれています。 ただし、花木の場合は花の時期に注意する必要があります。開花しなくなるので、概ね花が咲き終わった直後に剪定を行うと良いでしょう。

・切除すべき枝(忌み枝)

【切除すべき枝の名称】

  • 枯れ枝

    枯れている枝。見苦しいだけでなく、病害虫の発生源となったり、落下などの危険性がある。

  • 徒長枝(とび枝)

    幹や枝から上の方に長く伸びた枝。放置しておくと樹形が乱れ、また勢いが良すぎるために他の枝に養分が行きわたらなくなる。

  • ひこばえ(やご)

    根元から発生する小枝。放置すると、樹勢の衰弱を招く。

  • からみ枝(交差枝)

    枝と枝が交差したり、からみ合ったりして見苦しい場合、一方の枝を除く。

  • 幹吹き(胴吹き)

    幹から直接発生する小枝。樹木の衰弱の徴候となるもの。

  • 逆さ枝(腹切枝)

    枝は本来、幹から外側へ向かって伸びるが、逆に幹の方へ向かって伸びる枝。樹形を乱す原因となる。

  • 立ち枝

    枝から直立するように上へ伸びる枝。勢いがあるので他の枝の養分を吸収し樹木を衰弱させる。

  • ふところ枝

    樹幹の内部にある小枝。ほとんどは樹勢が弱く、生長する見込みがないので切り除く。

  • 車枝

    幹の1か所から数本の枝が放射状に伸びるもの。主に針葉樹に多い枝の出方である。普通は1〜2本だけ残して他を切除する。

  • かんぬき枝

    幹の同じ位置に左右(前後)に対になって伸びる枝をいう。マツ類、カエデ類、ハナミズキなど、枝が対生の樹種に生じやすい。通常、一方の枝を落として、幹から枝が交互に出ているようにする。

  • 平行枝

    長さ太さが同じような2本の枝が上下、または左右に平行して伸びているもの。全体の樹形を見て一方を元から切り取るようにする。

以上が主に切り除くべき枝とされていますが、他にも枯れ枝などの樹形を整える上で妨げになる枝は切る必要があります。逆に本来切るべき枝でも、樹種あるいは剪定の目的によっては故意に残すこともあります。その樹種固有の美しさや性質を理解した上で、枝くばりをよく見定めて剪定することが大切です。