「石」を味わう

和の庭では灯篭や景石といった石の添景物のほかにも、飛び石や延段、敷石などの色々な形で多くの石たちが活躍します。また石の自然な風合いは、雑木の庭のアクセントとして重要な役割を果たします。年月を経ることで増すさび感や味わいは、さながら木や草のように「石を育てる」といった楽しみにもなります。古典的な和のしつらえだけでなく、現代のライフスタイルにもマッチする多様な使い方をご案内します。

石の種類

産地によってさまざまな石の種類がありますが、ここでは名阪造園で主に使用する石をご紹介します。

  • 伊勢御影石(菰野石)

    伊勢御影石:花崗岩。丸みをおびた白色の御影石。
    「菰野石」「千種石」とも呼ばれる。

  • 木曽石

    花崗岩。黄褐色で平らな面が多く角ばっている。
    石積や景石、飛石など利用範囲が広い。

  • 揖斐石

    結晶片岩。青黒、白、緑系とがある。中部地方の代表的な川石として高級品。

  • 丹波石

    安山岩。平らな面が多く程よい丸みを持つ。石の表面が乳灰色で渋みがある。

  • 鉄平石

    安山岩。青系、赤系に大別される。硬度が高く貼石として多用される。

  • チャリ石

    変成岩。和歌山県と奈良県の境で産出する黒色系の石。

  • 石英岩(クォーツサイト)

    堆積岩。主要産地はブラジル。硬くて丈夫な石材で様々な色の石が存在する。

  • 伊勢ゴロタ石

    花崗岩。伊勢御影石の小さいものでサイズが豊富にある。白色系だかサビた落ち着いた雰囲気がある。

  • 那智砂利

    粘板岩。薄い楕円形で光沢がある。黒色のものを「黒那智砂利」、白色のものを「白那智砂利」という。

飛び石

丸みのある菰野石の飛び石は和のテイストに良く馴染みます。また木曽石などの厚みのある大判の石を使うことで和洋問わずダイナミックで自然な雰囲気を醸し出すことができます。

  • 菰野石

  • 菰野石大判(切石加工)

  • 木曽石

  • 木曽石大判

使用場所

アプローチ、庭園内通路、(大判のものは)階段など

敷石・貼石

自然石や切石を敷き詰めていくことを敷石といい、壁などの側面に貼り付けていくことを貼石と言います。鉄平石や丹波石などは、シックな色味で重厚感があるため、和風な庭にはもちろん洋風の庭にもモダンな感じに仕上がります。また石英岩などは、色味が明るく軽やかな感じのものが多いので、洋風のエクステリアによく合います。

  • 丹波石アプローチ

  • 鉄平石階段

  • 御影石板石階段

  • 石英岩アプローチ

  • 伊勢ゴロタ石延段

  • チャリ石延段

  • 伊勢ゴロタ石貼

  • 切石貼門柱

使用場所

敷石:アプローチ、ポーチ、テラス、延段など
貼石:門柱、壁面、花壇など

石積

素材や積み方によって見せる表情が大きく異なります。野面積みの石積はモダンで整然とした印象を与え、崩れ積みの石積は野趣あふれる自然な感じに仕上がります。高さや目的によって強度を保持するために仕様もそれぞれに変わってきます。

  • 木曽石野面積み

  • 菰野石崩れ積み

  • チャリ石野面積み

  • 御影石切石積み

使用場所

門柱、土留め、花壇など

景石・石組

名石を愛でるという慣習は古くからあります。禅宗のお寺などに代表される枯山水の庭のように、石の据え方や見せ方によっては、その時代の宗教観や精神性までも表現することができます。

  • 揖斐石滝組

  • 木曽石滝組

  • 六方石石組

  • 色石滝組

使用場所

庭園内、門柱周りのアクセントなど